【組織活性化コラム#2】心理的安全性の高め方
- 島袋朝也

- 8月5日
- 読了時間: 4分

前回は、日々のコミュニケーション(情報共有)が企業活動そのものを支えており、組織の心理的安全性が高いほどその質が向上することについて触れた。
今回は、心理的安全性を高める具体的な方法について考えたい。
心理的安全性とは、お互いの信頼関係を土台にして、気兼ねなく意見を言い合い、時には耳の痛い問題でもスムーズに情報共有ができる関係性である。この心理的安全性の高さは、社員がいきいきと働き、組織が活性化しているかを示す重要な指標と言える。
では、心理的安全性を高めるにはどうすればいいのだろうか。
人の気持ち、感覚、関係性を定量的な指標で捉えることで、組織の現在地を知り、改善への具体的な取り組みが見えてくる。
心理的安全性を測る指標には「7つの質問」など様々なアンケート手法があるが、心理的安全性が高い状態とされる組織には、主に以下3 つの共通要素がある。
【心理的安全性が高い組織に共通する要素】
要素 | 内容 |
ミスや失敗に対する寛容性 | 挑戦や失敗を非難されないか |
違いを受け入れる土壌 | 多様な意見や個性が尊重されているか |
困った時にSOS を出せるか、率直に指摘し合えるか |
心理的安全性を高め組織を活性化させるには、組織のメンバー一人ひとりが、上記の要素を満たす行動を起こし、継続することが不可欠である。
また、他者の行動はコントロールできない。だからこそ、他者や組織が変わるのを待つのではなく、「まず自分自身の行動(言動や反応、捉え方)を変えること」が組織内の心理的安全性を高める最初のステップとなる。
先述の3 要素を満たす具体的なアクションとして、以下の具体例がある。
①相手の立場を受け止める(ミスや失敗に対する寛容性)
意見や報告を受ける側は、まずは否定せずに最後まで話を聴くことが大事である。頭ごなしの否定は、次からの情報共有を躊躇させる要因になる。相手の背景を理解して受け止めた上で、解決策を考える姿勢が重要だ。その際、「起きた事象(ミス)」と「相手の人格」を切り離し、個人を責めないことが寛容性を育む。
報告する側には、ミスを隠さず速やかに共有する姿勢が求められる。過剰に自己防衛せず、対応や判断を行う受け手の立場・役割を理解し、客観的な事実として冷静に伝えることで、受け手側も感情的にならず解決策に集中できる。
②弱みやミスを自己開示する(違いを受け入れる土壌)
違いを受け入れる土壌を作るには、まず自分から心を開くことが重要である。
素性のわからない相手とのコミュニケーションに身構えてしまうのと同じで、他者からの自己開示があって初めて相手も安心感を抱く。「これが分からない」「これができない」と弱みを率直に開示することで、周囲も悩みを共有しやすくなる。
自己開示を受けた場合は、それを誠実に受け止める反応を返すことが重要である。作業の手を止め、体の向きを相手に変え、顔を見ながら話を聴く。こうした姿勢(非言語のコミュニケーション)が、違いを受け入れる土壌を育む。
③小さな貢献に対する感謝を言葉にする(助け合いと率直な意見交換)
「率直な意見交換」と聞くと、耳の痛い指摘が思い浮かばないだろうか。しかし、「率
直な意見交換」とは、決してネガティブなものだけではないはずだ。
社内のちょっとした清掃や備品補充など、仲間の日常の小さな協力に対して、ポジティブな感謝を率直に声に出して伝えているだろうか。褒められるためにやっていなくても、「組織の役に立てた」という実感は、さらなる前向きな言動を引き出す。心の中で感謝していても、言葉にしないと伝わらない。
また、感謝を伝えられた際は「たいしたことない」と過剰に謙遜せず、素直に言葉を受け取ることも大切だ。ポジティブな言葉を送り合う小さなやりとりの積み重ねが、いざという時の耳の痛い問題も共有できる関係性構築につながる。
組織の心理的安全性は、他者に依存するのではなく、一人ひとりが自律的に自らの行動を変え、継続することで育まれる。
まずは、身近なメンバーに対する「小さなありがとう」という発信から始めてみてはどうだろうか。
次回は、「伝えたのに伝わっていない」コミュニケーション(情報共有)が伝わらない理由について取り上げる。
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