第2回 ChatGPTの基本的な使い方
- 比嘉一飛
- 3 時間前
- 読了時間: 4分

~「質問の仕方」が成果を大きく左右する~
「ChatGPTを使ってみたが、思ったような回答が返ってこなかった。」
そのような感想を持つ人は少なくない。しかし、その原因の多くはChatGPTの性能ではなく、「使い方」にある。
ChatGPTは検索エンジンではない。Googleで情報を探すように単語だけを入力するよりも、「対話する」ことを前提としたAIである。
つまり、部下やコンサルタントに仕事を依頼するように、目的や条件を明確かつ具体的に伝えるほど回答の質は高くなる。
例えば、「補助金」と入力するよりも、「製造業向けの設備投資に活用できる補助金を3つ教えて。それぞれ対象者と特徴も説明してほしい。」と依頼した方が、はるかに実用的な回答が得られる。
ChatGPTを使う上で最も重要なのは、「人間にとっても、わかりやすい依頼」をすることである。
ChatGPTに伝えるべき4つの要素
回答の精度を高めるためには、次の4つを意識するとよい。
1つ目は「目的」である。
何を実現したいのかを伝える。「ブログを書きたい」「企画書を作りたい」「売上向上のアイデアが欲しい」など、ゴールを明確にする。
2つ目は「条件」である。
文字数、対象読者、専門レベル、文体などを指定する。「中小企業経営者向け」「500文字以内」「専門用語を使わず説明」などの条件があると、回答は目的に近づく。
3つ目は「背景」である。
会社の業種や課題、現在の状況を伝えるほど、より実践的な提案が得られる。
例えば、「従業員10名の建設業で採用に苦戦している」と伝えれば、その状況に応じた回答になる。
【背景の落とし穴】
ただし、この背景には、人間のバイアスが大きくかかる。特に背景部分については、アウトプットとのズレが生じたと感じた場合は、変更が必要である。さらに言えば、
そもそもの課題、問題そのものが企業内部の人間としては、認知できない場合、方向性が間違っている場合も多い。
そのようなときは、外部や第三者の意見を聞いて背景を整理する必要がある。
4つ目は「役割」を指定することである。
「あなたは中小企業診断士です」「マーケティングコンサルタントとして回答してください」と依頼すると、その立場を意識した回答を生成してくれる。
この4つを意識するだけでも、回答の質は大きく向上する。
一度のチャットでアウトプットを求め過ぎないことが重要
ChatGPTを初めて使う人ほど、一度質問して終わってしまう。
しかし、本来の使い方は「対話」である。
例えばブログを書かせた場合でも、
「もっと専門性を高めて」「事例を追加して」「初心者向けに書き直して」「1,500文字にまとめて」
というように追加で指示を出せば、改善してくれる。
これは、人間の部下や外部コンサルタントと仕事を進める感覚に近い。一度で完成品を求めるのではなく、対話を重ねながら完成度を高めていくことが重要なのである。
耳の痛い話かもしれないが、子どもや夫、妻、部下、顧客がわからないのは、「自分自身の指示内容がわかりにくいから」かもしれない。
【壁打ちの落とし穴】
一度のチャットでアウトプットを出そうとしないことと同等か、それ以上に、あまりにも繰り返しチャットを重ねし過ぎないことも重要である。チャットを重ねていくと方向性が異なってくる場合も多い。方向性がズレたりした場合は、新しくやり直した方が良い。もちろん、前回の指示内容が適切だったかを検討し、試行錯誤が必要である。
中小企業で最初に試すべき活用法
ChatGPTを試すときは、まず次のような業務から試してみることを勧める。
・メールや案内文の作成・議事録の要約・企画書や提案書のたたき台作成・ブログやSNSの文章作成・アイデア出しやブレインストーミング
これらは日常業務で頻繁に発生する仕事であり、短時間で効果を実感しやすい。
重要なのは、「AIに仕事を丸投げする」のではなく、「たたき台を作らせ、人が仕上げる」という考え方である。ゼロから考える時間が減るだけでも、生産性は大きく向上する。
ChatGPTを使い続けることで得られる最大の価値は、業務効率化そのものではない。AIを前提に仕事を考える習慣が身につき、「自分が行うべき仕事」と「AIに任せるべき仕事」、「自分以外に任せるべき仕事」を自然と切り分けられるようになることである。生成AIを使いこなすことは、新しいツールを覚えることではなく、改めて、「目的、条件、背景、役割」について、見直し、熟慮し、組織や顧客との仕事の進め方のレベルを上げ続けることなのである。
【連載テーマ】
・ChatGPTの基本的な使い方
・業務効率化の具体例
・良いプロンプトの作り方
・情報漏えいを防ぐポイント
・生成AI導入の進め方
・経営戦略への活用方法



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