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第4回 良いプロンプトの作り方

比嘉一飛
2 時間前
読了時間: 4分

~生成AIを使いこなすために、仕事の目的を明確にする~

ChatGPTなどの生成AIを業務で活用する際、重要になるのが「プロンプト」である。プロンプトとは、生成AIに対して入力する指示や質問のことだ。同じ生成AIを使っていても、指示の仕方によって、得られる回答の質や実用性は大きく変わる。

では、良いプロンプトとは何だろうか。


1.良いプロンプトは、良い質問から始まる

生成AIに「売上を増やす方法を教えて」と入力すれば、さまざまな販売促進策が提示されるだろう。しかし、その回答が自社にとって有効であるとは限らない。

例えば、飲食店であれば、客数を増やしたいのか、客単価を上げたいのか、リピーターを増やしたいのかによって、取り組むべき施策は異なる。また、予算や人員、立地条件などによっても、実行可能な方法は変わる。

そこで、「沖縄県内で飲食店を経営している。平日の客数が少なく、売上が伸び悩んでいる。追加の広告費は月3万円以内とし、既存の従業員で実行できる集客施策を5つ提案してほしい」と指示してみる。

このように、背景、課題、制約条件を具体的に伝えることで、回答を自社の状況に近づけることができる。

つまり、プロンプトを工夫することは、単にAIへの伝え方を改善することではない。自社の現状や課題を整理し、何を解決したいのかを明確にする作業でもある。


2.良いプロンプトを作るための5つの要素

実務でプロンプトを作る際は、次の5つの要素を意識するとよい。

第一に「役割」である。「あなたは中小企業の経営改善を支援するコンサルタントです」のように、どのような立場から回答してほしいのかを伝える。

第二に「背景」である。会社の業種、規模、現状など、回答に必要な情報を提供する。

第三に「目的」である。何を実現したいのか、どの問題を解決したいのかを明確にする。

第四に「条件」である。予算、期限、人員、対象者など、提案に反映すべき制約を示す。

第五に「出力形式」である。「表形式で比較する」「優先順位を付ける」「実行手順を示す」など、回答の形式を指定する。

もちろん、すべての要素を毎回入力する必要はない。簡単な質問であれば短い指示で十分だ。重要なのは、目的に応じて必要な情報を伝えることである。


3.最初から完璧な指示を目指さない

プロンプトは、一度で完成させる必要はない。むしろ、生成AIとの対話を通じて回答を改善していくことが重要である。

例えば、最初に集客施策を提案してもらい、その後、「費用対効果の観点から比較してほしい」「実行の難易度も評価してほしい」「最も優先すべき施策を一つ選び、具体的な行動計画を作成してほしい」と追加で指示する。

このように、回答を確認し、不足している情報や視点を補いながら、段階的に成果物の質を高めていく。

ただし、生成AIは事実と異なる情報を出力する場合もある。数値や制度、専門的な判断については、必要に応じて根拠を確認し、最終的な判断は人間が行う必要がある。


4.プロンプトの改善は、仕事の進め方の改善につながる

生成AIの活用において、プロンプトの書き方だけに注目していては、その可能性を十分に引き出せない。

例えば、会議資料を作成する場合、いきなり資料の作成を指示するのではなく、まず会議の目的を明確にし、誰に何を伝え、どのような意思決定につなげたいのかを整理する。そのうえで、必要な情報を集め、構成を検討し、資料を作成するようにAIへ指示する。

これは、生成AIの操作方法を工夫しているだけではない。仕事の目的を明確にし、作業を分解し、成果物を確認するという、仕事の進め方そのものを見直しているのである。

生成AIは、指示された作業を支援するだけでなく、考えを整理したり、複数の選択肢を比較したりするパートナーにもなり得る。

大切なのは、AIに何を入力するかだけではない。何のために仕事をするのか、どのような成果を目指すのかを考えることである。

良いプロンプトを作ることは、良い仕事を設計することにつながる。まずは身近な業務から、目的と条件を明確にして生成AIに相談することから始めてみてはいかがだろうか。


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