【組織活性化コラム#3】伝えたのに伝わらないを無くすには
- 島袋朝也

- 21 時間前
- 読了時間: 4分

前回は、組織の心理的安全性を高めるための具体的なアクションについて触れた。
ミスへの寛容性や違いを受け入れる土壌、そして互いへの感謝といった心理的安全性が確保された環境があってこそ、日々のコミュニケーションは活発になる。しかし、どれだけ気兼ねなく意見を言い合える環境が整っていても、「伝えたはずなのに伝わっていない」「期待した通りに動いてくれない」というすれ違いは日常的に起こり得る。
今回は、この「コミュニケーション(情報共有)が伝わらない理由」とその解決策について取り上げたい。
■「伝わった」とは、相手の行動を引き出した状態である
日々の業務における情報共有において「情報が伝わった」とは、情報を受けた相手が「発信者が意図した行動を起こした状態」を指す。
私たちが仕事を通して情報共有を行う先には、必ず何かしらのアクションが伴っている。例えば、「現在抱えている課題を共有し、具体的な解決策を提示してもらう」、「上司に現状を報告し、今後の方向性について意思決定をしてもらう」、「スケジュールの進捗状況を共有し、締め切りに間に合うように役割分担を再調整する」といった例があげられる。
相手の行動が伴っていなければ、それは単に事実を提示しただけに過ぎない。情報を受けた相手が、発信者の意図した行動を起こしてこそ、「伝わった」と言えるのである。
■なぜ「伝えている」のに「伝わらない」のか
丁寧に言葉にして伝えても相手の行動を引き出せないのは、目的の理解度や個人の経験等によって事象の捉え方が異なるからだ。
「お客様にお出ししたコップに水が半分ある」という事実に対し、「まだ半分」と安心するか「もう半分しかない」と受け取るか、人によって全く違うように、認識の基準を揃えずに事実だけを渡しても、相手はどう動いていいか分からず意図した結果には結びつかない。
■「伝わる」には目的の共有と、相手の背景への理解が不可欠
こうした捉え方のずれを補正し、行動を引き出すためには「目的」の共有が必要である。
伝えているのに意図した行動が引き出せないのは、目的が共有できていない、あるいは発信者自身の中でも明確になっていないために、情報を受けた相手が「それで、結局どうしたらいいの?」と迷い、具体的な行動を起こせない状態に陥っているからだ。
さらに、伝える相手の背景(立場、スキル、経験、年齢、性格など)を理解して情報を届けることも、「伝わる」ための重要なポイントとなる。
相手が好む伝達手段(メール、テキスト、図解、動画、口頭など)を選択し、現在の業務状況や前提知識を考慮できているだろうか。「なぜその行動が必要なのか」という目的に沿い、相手の文脈に寄り添った情報提供を行うことで、「伝えたのに伝わらない」というすれ違いを減らすことができる。
■相手に伝わる「伝え方」を実践する
「言ったのに伝わらない」という事象に直面したとき、私たちは無意識に、相手の受け取り方に問題の所在を求めてしまうことがある。確かに、コミュニケーションは情報の送り手と受け手の双方向によるやりとりである。
しかし、他者の行動や受け取り方を直接コントロールすることはできない。他者や組織が変わるのを待つのではなく、まず自分自身の行動を変えるアプローチをとることが、「伝えたのに伝わらない」といったコミュニケーション(情報共有)の課題を乗り越える重要な姿勢である。
例えば、連絡手段一つとってもそうだ。自分自身がメールでのやり取りを好むからと、相手に長文のメールを送りつけていないだろうか。相手によっては、長文のメールを読むのが苦手な場合もある、電話で直接話した方が意図が正確に伝わり、次のアクションが起こしやすくなるかもしれない。自分のやりやすさを優先するのではなく、相手が好む伝達手段を選ぶ、つまり自分自身のコミュニケーションのあり方を見直す視点が重要だ。
相手の受け取り方を強制できないのであれば、自分自身の「伝え方」をより磨き上げていく必要がある。
行動が伴っていなければ、それは事実を伝えただけである。ただ情報を投げるのではなく、情報の受け手の背景に寄り添い、意図したアクションを引き出せているだろうか。今日あなたが行ったコミュニケーション(情報共有)は相手の行動を引き出すものだっただろうか。
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