【進化系管理会計コラム】第1回:もし全社員が損益分岐点を使えるようになったら?経営者が決意すれば、それは実現できます。
- 木場一緒

- 2 時間前
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更新日:11 分前

「損益分岐点は難しい」
「社員には理解できない」
会社の経営に関わっている皆様が、そう考えているとしたら、一度、その前提を疑ってみてほしい。
損益分岐点は、実は、そこまで難しくはない。改めて考えてみると、使うのは、足し算、引き算、掛け算、割り算だけである。
例えば、1個当たり売価が100円、1個当たり原価が40円、1個当たり利益が60円。固定費が12,000円。それでは、固定費を回収するためには、何個売れればよいだろうか。答えは、200個。固定費12,000円を、1個当たり利益60円で割ればよい。
損益分岐点の本質は、突き詰めると、これだけである。
税務申告のために、企業が行っている会計は、制度会計と呼ばれている。
制度会計として存在する以上、それ自体は必要である。
しかし、自社の経営判断のために行う損益分岐点の計算は、実は、制度会計、つまり税務申告とリンクする必要はない。
それなのに、制度会計とつなげようとすると、結局、制度会計が分かる人にしか分からないものになってしまう。
つなげようとすることが躓きの一歩なのである。
もし全社員が損益分岐点を使えたら。
☞営業担当者は、お客様の前で利益を考えて提案できる。
☞調達担当者は、その場で仕入れるべきか判断できる。
☞管理職は、部下から相談を受けたその瞬間に判断できる。
全社員が、社長や経理担当者のように、利益を考えて動ける会社である。
そのために重要なのは、「簡単にすること」。
それが、現場で使えるための条件。一時間後、一日後、一週間後に正しい答えが出ても、遅いことがある。管理会計は、「秒」単位でも利益を考えられることが価値である。
では、なぜ、本来シンプルな損益分岐点を、複雑な形で受け入れてきたのだろうか。
一つは、会計の専門性である。もう一つは、自身の経営感覚よりも会計の専門性を優先させて受け入れてきた経営者の謙虚さである。
「専門家が言うのだから正しい」
「会計は難しいものだ」
「社員には理解できない」
このメンタルモデルを転換することが最大の難関。これは会計知識の問題ではない。ものの見方の問題である。経営者自身が、その見方を手放すと決めた瞬間に、扉は開く。あとは、そこまで難しい話ではない。本来、損益分岐点はとてもシンプルなものだから。
管理会計は、自社の経営に役立つように、自社でカスタマイズすればよい。
全社員が使えるように、限界までシンプルにする。
経営者がそう決意すれば、全社員が利益を考え、経営者と同じ目線で意思決定できる会社に踏み出せる。
このシリーズは、全12回でお届けします。次回以降も、ぜひお読みください。
第2回 損益分岐点は、「売上高」で考えるから分かりにくくなる。
第3回 損益分岐点は、「いくら売るか」ではなく、「いくら利益が出るか」で考える。
第4回 販売数量が「一」増えると、自社の原価と利益は、いくら増えるのだろうか。
第5回 損益分岐点は、解説グラフが変わるだけで、驚くほど分かりやすくなる。
第6回 なぜ、損益分岐点解説グラフの売上高線は、原点から45度なのだろうか。
第7回 損益分岐点解説グラフの横軸は、本当は何を表しているのだろうか。
第8回 損益分岐点は、本当は中学生でも分かる。
第9回 原価をもっと直接に考えれば、利益はもっと簡単になる。
第10回 利益を最大化したい。しかし、その会計学の前提は現実的なのだろうか。
第11回 社員が現場で意思決定できて、初めて会計は「使える道具」になる。
第12回 全社員が経営者と同じ目線で意思決定する会社へ。
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