【代表メッセージ】経営者の社会性と覚悟 ~逆境に耐えうる精神力と成長意欲~【理念経営㊹】
- CSDコンサルタンツ
- 4 日前
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人間学を学ぶ月刊誌『致知10月号』の「四書五経の名言に学ぶ」連載第38回で東洋思想研究家:田口佳史氏は次のように述べている。
「天の将(まさ)に大任を是(こ)の人に降(くだ)さんとするや、必ず先(ま)づ其(そ)の心志(しんし)を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、その体膚(たいふ)を餓えしめ、其の身を空乏にし、行うところ其の爲(な)さんとする所に払乱(ふつらん)せしむ」
天がこの人と見込んで、世の為人の為になる大仕事を任せようとする時には、必ず先ず行うことがあります。
それは、苛酷な試練を与えることです。
その人の心を苦しめたり、その志を挫折の方向に引っ張たり、その筋骨が疲労の極致に至るほどの労働を与えたり、金や物が全く足りないほどの窮乏に追いやったり、何をやっても思い通りにいかないなどのひどい苦境に立たせたりするのです。
何の為なのか。大任とは、言い換えれば、尋常一様な困難さではない悪戦苦闘の状況が待ち受けていることを承知の上で行うべきことなのです。
したがって苦難に耐えるほどの不屈の精神を身に付ける必要があります。
更にもし未熟な部分があれば、そこが致命傷になることも有り得るわけで、こうした欠点や弱点を解消しておくことも必要です。天は全てを見通して、予め体験させておくのです。
百年企業といえども、いつも順風満帆で来たわけではない。時代時代で困難な経営環境もあったであろう。それを幾世代にも渡って経営を継承し、乗り切ってきた結果が「百年企業」という代名詞になる。
その神髄は後継者育成(教育)を根幹にし、人としてどうあるべきかを育んできたことではないだろうか。
百年企業とは、その時代の困難な状況に耐えつつ、未来に向かって成長を勝ち取る不屈の精神を持つ経営者が続く企業が成るものであろう。
第二創業、あるいは中興の祖とかいわれる名経営者も出現するが、その根底には当該企業の存在意義をしっかり捉えた経営理念が存在しているはずだ。後継者たちはその理念を軸にして逆境に耐え、その理念を支えにして不屈の精神と向上心を持ち続けたことだろう。
後継者に受け渡していくためにも、やはり経営理念を企業経営の中核に据えるべきである。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明
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