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【代表メッセージ】長寿企業になるためには何が必要か ~百年企業を支える経営理念・経営哲学~【理念経営㊸】

  • 執筆者の写真: 西里喜明
    西里喜明
  • 9月1日
  • 読了時間: 3分

 

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 企業は社会の公器としてゴーイング・コンサーン:継続企業を旨として活動することが期待されている。

 しかしながら、永続的企業になるのは至難である。日本に多いといわれる百年企業に照らして、長寿企業になるためのヒントを考察してみたい。


 1980年代に日経ビジネス社から「会社の寿命―盛者必衰の理」が発刊された。企業の栄枯盛衰を100年単位で分析した結果、上位企業がその地位を保てるのは平均約30年という衝撃的内容であった。それをもとに会社の寿命30年説が一時話題となった。

 倒産企業の平均寿命は約23年(2021年)というデータもあり、社歴30年を超える企業の存在はある程度、評価に値すると言っていいだろう。


 30年以上経営を継続するという事は、よっぽどの幸運に恵まれない限り、不断の努力と改革・変革を要する。経営環境は年々変化しており、特に近年は常に急激な変化が押し寄せる。経営環境が激変する中で、企業経営を継続していくには変化する環境に対応していくことが重要となる(経営とは環境適応業であると言われる所以でもある)。


 一方で、経営において普遍的なものとして扱われる「経営理念・経営哲学」と変化への適応との関係性はどう捉えたらいいのだろうか。


 百年企業といわれる長寿企業は経営理念をどのように捉えているのか。

 百年企業とは、単に長く続いた企業というだけでなく、社会にとって必要とされ続けた企業である。したがって、そのような企業は「何のために存在するのか」「誰のために価値を創出するのか」を問い続けていることだろう。これは経営理念の承継をベースにしながらも、時代に応じて地域社会との共生、顧客との信頼、従業員の尊厳を守る姿勢が企業の存在意義を支えているということを物語っているのではないだろうか。

 経営理念はその本質を受け継ぎながらも、その時代ごとに経営を継続・成長させるべく再解釈されるべきものであり、柔軟性と一貫性の両立が鍵となると考える。


 百年企業の本質は、財務諸表に現れない無形資産にあるといっても過言ではないだろう。それは理念・信頼・ブランド・組織文化・地域との関係性等、長期的な価値にある。

 百年企業は世代を超えて経営が承継される。単なる事業承継ではなく、理念・価値観・経営哲学等の継承が重要である。これには次世代経営者の育成、組織内対話の促進、歴史の共有等が求められることは言うまでもない。


 ゴーイング・コンサーンを単なる前提から「百年企業への道筋」として再定義し、経営理念・経営哲学に組織的・社会的・倫理的・文化的な継続性を追求しよう。その理念・哲学に基づいた経営の結果、真に持続可能な存在となり、社会に必要とされる企業となっていくはずである。



株式会社CSDコンサルタンツ

代表取締役 西里 喜明


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