【代表メッセージ】役割と影響力にふさわしい言動をしよう【人間力向上㊵】
- 西里喜明

- 5月26日
- 読了時間: 2分
更新日:6月9日

「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩(さと)る」という言葉がある。
君子(徳のある人物)は、道義や正義を基準に考え、行動する。
小人(徳のない人物)は、自らの利益を優先し、損得勘定で判断する。
概ねこのような意味である。
つまり、立派な人間は道徳や正しい行いを大切にし、損得ではなく正しさを基準に決断するのに対し、器の小さい人間は自己利益を最優先し、目先の得だけを考えるという言葉だ。
コメ価格の高騰で国民が食費を切り詰めながら不安な生活をしている中で、受けねらいと称して「コメは買ったことがない。支援者からのもらい物で、食品庫にはお米が売るほどある」という発言をしてしまう農林水産大臣。自身の言葉・発言の影響力をどのように理解しているのだろうか。想像力・思いやりに欠ける言動と言わざるを得ない。
今、担当大臣に国民は何を期待しているのか、何を託しているのか、「道義や正義」を少しでも考えていたら別の言い方があったのではないだろうか。
沖縄の地上戦で多大な犠牲を払いながらも、生き残ったことに自責の念を持ち、「二度と戦争を起こしてはならない」と後世に語り継ぐことを決意し平和への貢献活動を地道に行っている方々の想いを踏みにじるような発言をして、形だけの謝罪で切り抜けようとしている国会議員も、徳のある人物とは到底思えない。
価値観の多様化が言われる社会にあって、各々の立場を理解しつつ、自分の立場をわきまえ、役割をしっかり認識し、発揮することによって周りを幸せにする。そのような生き方を心掛けたいものである。
組織においても、上に立つものが自身の影響力を意識して、「道義や正義」を基準に考え行動する(組織構成員へ働きかけを行う)ようになると、組織構成員の組織に対するロイヤリティは高まる。社会的に意義のある目標達成に向けて構成員たちが努力し、自立型組織へと成長していくことが期待できる。
会社は利益なくしては維持できないため、利益獲得・損得観念が必ずしも悪いということではない。しかし、大義や道義、正義を忘れた利益は身につかず、私利私欲に流れやすい。利と義の両立が大事である。現状の考えや言動が「利」に傾いているとするならば、今一度、義を大切にする生き方・働き方を意識しよう。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明



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