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【代表メッセージ】「倫理資本主義」が社会を変える ~今、経営者に求められている価値基準~【理念経営㊳】

  • 執筆者の写真: 西里喜明
    西里喜明
  • 4月7日
  • 読了時間: 3分


 私は最近、「倫理資本主義」に注目している。


 それは、マスコミ関係の企業不祥事や社会問題となっている組織的詐欺事件の増加、公的検査結果の隠蔽問題、さらにオンラインカジノやカスタマーハラスメントといった、人間力の低下を象徴する深刻な社会課題が顕在化していると考えるからである。


 これらの問題が表面化する中で、従来の資本主義がもたらす歪み、すなわち利益追求を優先する企業活動による弊害がより浮き彫りになってきた。具体的には、良好な人間関係の崩壊や信頼の喪失がその典型例である。このような状況を是正するため、「倫理資本主義」は企業活動に倫理的価値観を取り入れ、社会課題の改善を目指す指針として注目されている。


 近年の企業不祥事や詐欺事件の頻発は、社会全体の信頼を大きく揺るがしている。

 例えば、企業内部での隠蔽工作や利益追求を最優先とする行動は、従業員や消費者からの信頼を著しく損ない、結果として企業ブランド価値の低下や長期的な競争力の喪失を招いている。

 さらに、こうした事件の度に産業界全体が倫理的責任を問われ、市民や消費者は日常的に業界全体への疑念を高めていることだろう。


 このような背景のもと、倫理資本主義は、利益の追求と同時に社会的責任を果たすべきという理念を提唱し、より倫理的な経営を求めている。


 従来の資本主義の問題点もまた、考え直すべき最後のチャンスだと言ってよい。

 利益最大化を過度に追求するあまり、環境破壊や格差拡大といった負の影響が頻繁に生じている現実がある。これは、企業が短期的な利益に囚われ、社会的責任を軽視してきた結果だと言えるだろう。倫理資本主義は、環境保護や地域社会への貢献といった長期的価値の追求をも求めている。


 以上のように、「倫理資本主義」は現代社会が直面する多くの課題に対して有効な解決策を提示する。そのため、これからの経営者にはこの理念を深く理解し、自社経営に取り入れるだけでなく、組織全体に浸透さてほしいと考えている。

 経営者が倫理的価値観を重視した理念をしっかりと共有することこそが、企業の持続可能性と社会的信頼の基盤を築く第一歩となる。


 新年度を迎えるにあたり、私は「良い経営者が良い社会・良い会社をつくり、人々の幸福な生活を守る」という信念のもと、経営理念の重要性を引き続きお伝えしていきたいと思う。

 今年度も皆様と共にこの理念を実践し、より良い未来を築いていければ幸いである。



株式会社CSDコンサルタンツ

代表取締役 西里 喜明

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